頭のネジを緩めてくれる人

好きな人の話。

僕の頭のネジを緩めてくれる。
そんな友達がいます。

頭のネジが締まってるな。
そう感じるタイミングがあります。

あれをしなくちゃ、これをしなくちゃ。
こうあるべきだ、それは間違いだ。
あの人が言ってたから、自分で決めたから。
そんな調子で、日々頭のネジをキリキリ締めています。
そしていつか、固くなって動かなくなるタイミングがあります。

それは孫悟空の輪っかのように、
自分で自分を戒めるもの。
あるいは、
フランケンの怪物のボルトのように、
つぎはぎだらけの体を保つもの。

このときの僕はとてもつまらないです。
正しいことしか言いませんから。
だから嫌いです。

自分が縛られているから、
誰かのことも縛りたくなります。
だから嫌いです。

その友達はきっと、
魔法のドライバーを持っているのでしょう。
僕のネジ頭にぴったりはまる。

話すうちに、
逆の方向に回してくれるので、
だんだんネジが緩んでいきます。

気が付くと僕は、
間違えたり、失言したり、言いすぎたりと、
楽しく時間を過ごしています。
自分も友達も好きでいられる時間です。

そもそもさ、
ネジを締めないようにしなきゃなって思うんですが、
それすらもネジを締めていることになるんですよね。

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