蝶々むすび

人間との関係の話

固結びがいいと思っていました。昔は。
人間関係についてです。

成育歴もあるんでしょう、
きつく縛っていないと不安でした。
いなくなってしまうのではないかと。
でも、縛るだけだと人は離れていくから、
結局安心することはなかったんですけどね。

どこかで分かっていたはずですが、
手を離すのは怖かったです。
だから、はっきりとした結び目を求めていました。

それは一対一の関係だけでなく、
集団においても。
何かに所属して常に顔を出していないと、
心が落ち着きませんでした。

変わったのはいつからでしょうか。
人並みに出会いも別れも経験をして、
結構涙も流しましたね。
それで分かったのは、
離れる人は離れていくということ。
あるいは、僕のほうから離れる場合もあるということ。
そして、意外と平気なことも知りました。

分母を増やした。
というとちょっと失礼かもしれませんね。
でも事実かなと思っています。
幼少期の出来事が大きな要因だった、
つまりは一分の一だったから。
月並みですが、出会いと別れを繰り返して、
さまざまなことを学んできました。

その結果、
蝶々むすびくらいがちょうどいい。
そう思うようになってきました。

ちょっとの力でほどけそうなむすび目に、
翅のような輪っかが風にゆれている。
そんな蝶々むすびのようなつながりで、
続いていく関係が心地いいなと。
心の何割かで思えるようになりました。

今の僕は所属がありません。
前の会社の人とは仲良くしていたから、
実は結構不安でした。
肩書きのない僕でも相手をしてくれるのかと。
そしたら、思ったより関係性が変わらなくて、
おもしろくて心地がいいと感じています。

子どものころの一分の一は、
わりかし重くのしかかります。
だからこそ、それを動かしていくのが楽しいです。
時間がかかっても固いむすび目を、
一つずつほどいていきたいと思います。

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