必要なくても大切なもののお話。
僕はよく「心を自由にさせている」なんて言っています。
前回も「心なんて一生不安さ」と書きました。
でもメンテナンスはしています。
それは猫が毛づくろいをするようなもの。
猫は「お風呂に入らなくて平気」と言われますが、
何もしない状態では汚れてしまいます。
定期的に毛づくろいをしているから、
清潔が保たれていてお風呂に入る必要もないというわけ。
心もそれと全く同じです。
断言しましたが、たぶん違いますね。
僕がそう思っているだけ。
まあつまり、
定期的に心の毛づくろいをしているからこそ、
自由にさせることができるという考え方です。
では人間の毛づくろいとは何でしょう。
僕にとっては靴とレコードを磨くことです。
革靴の汚れを落とし、クリームで磨いていく。
レコードの埃を取って、専用液で磨いていく。
その時間が僕はとても好きです。
心が落ち着いていきます。
きっと必要がない行為だから、心が落ち着くんですよね。
僕は情報が苦手です。
【必要、必見、重要、最新、損する、得する、賢い、本当に】、
世の中には誰かのお墨付きが溢れています。
僕はそういう情報を見聞きしていると、心が逆毛立ってきてしまいます。
ある程度は必要でしょう、社会で生きるためには。でもやっぱり苦手です。
そんなとき、心を鎮めてくれるのが靴やレコードを磨く行為。
必要でもなく最新でもない、損も得も時短もしない、
純粋に行為に浸ることができる時間。
逆毛立った心も落ち着いていく、
一段階けものに戻れる時間。
誰かにとっては必要がなく、
僕にとって大切なものだから、
自分を思い出させてくれるのでしょう。
心を自由にするにも限度があり、
乱れた状態のまま野放しにしては、
自分にも他人にも迷惑がかかります。
だから定期的に心のメンテナンスをすることで、
社会との兼ね合いも含めて自由にできる。
僕はそう考えています。
それに煽りが悪いと思っているわけでもありません。
宣伝がなければレコードを買うこともなかったでしょう。
余裕があるときにエンターテインメントとして受け取れたらいいですね。
無理だなと感じたときは、毛づくろいをしたいと思います。
幸いうちには毛づくろいの先輩がいるので、
見習いながら心のバランスを取っていきます。
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